Strato001 – データ取り込み

ようやく、MacOSをYOSEMITEにバージョンアップし、
「Rhino for Mac」を使えるようになりました。
MacOS10.6ではつかえなかったもので。

バージョンも「Evaluation」に代わり、
Mac版もWindowsと同様の正規版に
進化しつつあるのかな。

仕事で使っている「Rhino for Windows」も
バージョン5にアップデートしたので、
練習も兼ねて、色々やりたいと思います。

とりあえず、手始めに昔々に作った
「Fender Stratocaster」の3Dグラフィックスを
リニューアルしたいと思います。

Strato000

これを作ったのは’97頃で、Shadeで製作しています。
ただの「Fender Stratocaster」ではなく、
「Yngwie Malmsteen Model」です。
ネックにはスキャロップ加工が施されてます。

今回はこのモデルを元にRhinoでリニューアルしたいと思います。
とりあえず、スキャロップは付けません。
あとで、付けるけど(笑)

【Shade】で作成したものを【Rhinoceros】で
リニューアルする意味は

⚫️モデリングに関してはRhinoの方が緻密に出来る
⚫️Shadeはブーリアン系が弱いのでRhinoの方がスッキリしたデータを作れる。
⚫️Shadeはデータ形式が独自なので、他にデータを渡す時にポリゴンに変換しなければならない。
⚫️Rhinoは出力形式が豊富なので、今後、3Dプリンターにデータを渡す時など便利である。

自分が使用しているShadeはVer.12です。
最近は進化してるのかな?

ただし、最終出力のレンダリングはShadeの方が
強力なので、Shadeにデータを渡してレンダリングと
いうことになります。

Strato001

まず、元のShadeデータで
「ファイル」-「エクスポート」-「Adobe Illustrator」を
選択し、出力形式で「上面図」「側面図」「正面図」を
それぞれ、別々に保存します。

Strato002

そして、そのファイルをRhinoにインポートし、
適正な位置に回転したり、移動したりしながら、
テンプレートにします。

呼び込んだ時点で曲線の数は88835個でした(笑)

もちろん、全部必要ではないので、
必要なものを選別しながら、
3D化していきます。

とりあえず、パート毎にレイヤー分けしてみました。

これから、徐々に立体化していきます。


Strato002 – Bodyのアウトライン作成

まず、Bodyを作っていきます。

Strato003

まず、ボディの外形線を選択します。
「変形」-「コピー」から「同じ位置」をクリックし、
同じ位置に同じデータをコピーします。

何故、こんなことをするかと言いますと、
これから曲線を色々いじって綺麗な曲線を
作っていくわけですが、元となった
曲線をテンプレートとして残しておくためです。

どれくらい変化したかも見れますし。

Strato004

次に「編集」-「表示」-「ロック」を選択し、元の曲線をロック(編集出来ない)します。

Strato005

曲線を「分解」します。

Strato006

左端の曲線以外を選択し「結合」します。
この辺はあとで曲線を編集する時に便利かなと・・・
ちょっと感みたいなものです。

Strato007

ここで、曲線を整えるために「編集」-「リビルド」を適用します。
「最大偏差」が出来るだけ少なく、
そして、「制御点数」が少ない設定にします。

Strato008

「編集」-「制御点」-「制御点表示オン」を選択し、
曲線の制御点を表示します。

Strato009

【F10】キーを押しても表示できます。

Strato010

「解析」-「曲線」-「曲率表示オン」を選択し、曲線をクリックします。

Strato011

曲率(緑色)が表示されます。
このグラフのような曲率が綺麗な曲線を描くように
制御点を修正していきます。

Strato012

曲率がいびつな部分の制御点をクリックして選択し、
ナッジして整えていきます。
ナッジとは矢印キーで制御点を上下左右に移動させることです。
普通に矢印キーだけ押すと「0.1モデル単位」移動します。
モデル単位とは使用している単位のことで、
今回は「mm」を使用しています。
よって、「0.1モデル単位」=0.1mmとなります。

Command + 矢印キー =0.01モデル単位
Shift + 矢印キー =2モデル単位
となります。
なお、この移動する量は「環境設定」-「モデリング補助機能」-「ナッジ」で
変更することが出来ます。

Strato013

全体的に形状を整えました。
ここで、どうも本体が横置きになってると見辛いので、
縦置きにし、さらに本物のギターと同じ大きさまで、
拡大しました。

Strato014

修正した曲線を選択し、「曲線」-「オフセット」-「曲線をオフセット」
を選択します。
「PickGuard_line」レイヤーを表示してアタリにしています。

Strato015

距離(赤丸)に「11(mm)」と入力し、曲線の内側でクリックします。
この曲線が本体の表面になります。

Strato016

作成された曲線の左下の部分(凹んでいる部分)を
テンプレートに合わせて調整します。

Strato017

調整した曲線を「変形」-「コピー」を選択し、「同じ位置」で
コピーします。
この曲線が本体の裏面になります。

Strato018

作成された曲線の左側をテンプレートに合わせて
調整します。

Strato019

一番初めに作成した曲線をコピーした後、
出来上がった4本の曲線を適正な位置に移動します。

Strato020

真ん中の曲線2本をストラトキャスター特有の
ボディラインに合うように編集します。

Strato021

4本の曲線を選択し、「サーフェス」-「ロフト」を選択し、
サーフェスを作成します。
かなり形状が歪んでいるようなので、
これから色々修正をかけていきます。

今回のところまでのデータは
Stratocaster01.3dm
です。

Mac版Rhinocerosで作成していますが、
Windows版でも開けます。

Rhino for Macの入手はこちらです。


Strato003 – 曲線の編集

ボディを形成する側面の形状を編集します。

まず、形状が大きく変わる部分にサーフェスを
横切るように直線を作成します。
必ず、サーフェスの幅より直線が長くなるようにします。

Strato03-01

とりあえず、6本の直線(水色)を作成しました。
この直線をサーフェスに投影し、その投影した曲線を
編集することにより、形状を整えていきます。

Strato03-02

6本の直線を選択し、「曲線」-「オブジェクトから曲線を作成」-「投影」を
選択し、投影先でボディのサーフェス(紫色)をクリックします。

Strato03-03

サーフェスを削除します。
投影された曲線はこのような感じになります。
まず、最初に青丸の曲線を編集していきます。

Strato03-04

編集する曲線が最初に編集した4本の曲線と交わってる
4点の内、端点では無い真ん中の2点(青丸)に点オブジェクトを
配置します。

端点の位置は変更しませんが、真ん中の2点は
編集する時に移動する可能性があるため、
編集時は曲線が必ずこの2点の点オブジェクトを
通過するようにします。

「投影」のチェックを外し、オブジェクトに直接
スナップするようにします。
「交点」をチェックし、オブジェクトが交差している点に
スナップするようにします。

「曲線」-「点オブジェクト」-「点」を選択し、
2つの曲線の交点辺りにマウスを持っていくと
2つの曲線が太くハイライトし、交点を
検出したところでクリックします。

同様にもう一つの交点にも点オブジェクトを配置します。

Strato03-05

曲線に「リビルド」をかけます。
今回は形状を大幅に変えるので、
出来るだけ少ない制御点数(12)から始めます。

Strato03-06

2つのサーフェスを接続する場合、その継ぎ目を
滑らかにするためには、少なくとも双方の曲線の端点と
その次の制御点が直線状に並んでなければなりません。

今回の場合、編集中の曲線の端点および次の制御点と
ボディの表面/裏面(X軸に平行)は一直線上になければいけません。

4つの制御点(水色)を選択し「変形」-「XYZを設定」を選択します。

Strato03-07

「点の設定」ダイアログで「Yを設定」のみチェック。
「ワールドに整列」をチェック。

X,Y,Z軸のどれに設定するかわからなくなった場合は、
画面左下の軸表示(赤丸)を見てどの軸方向に整列させるのか
確認しましょう。

設定が終わったら「点の設定」をクリックします。

Strato03-08

どの位置に設定するのか聞いてくるので、
端点(赤丸)の位置でクリックする。

Strato03-09

図のように4つの制御点が端点の位置で、
X軸に平行な直線状に並びます。

Strato03-10

図のような制御点群をX軸に整列させたい場合は
「点の設定」ダイアログで「Xを設定」のみチェックします。

Strato03-11

編集する曲線がX軸またはY軸に平行な場合は
問題ないのですが、図の青丸の曲線のように
軸に対して傾いている場合は、制御点を移動させると
制御点が直線上からずれて編集しづらくなります。

そんな状況を回避するため「作業平面」を設定します。

Strato03-12

「Right」(青丸)の部分を右クリックし、
「作業平面の設定」-「3点指定」を選択します。

Strato03-13

「Front」ビュー上で1の端点 → 2の端点の順に
クリックし、最後の3点目は「法線上」に設定するので、
「enter」を押して終了します。

Strato03-17

「Right」(青丸)の部分を右クリックし、
「ビューの設定」-「平行」を選択します。

これで「Right」ビューは青矢印の方向から見ている状態に
なるので、「Right」ビュー上で編集している分には、
常に青丸1 - 青丸2の直線上を制御点が移動することになります。

Strato03-14

「作業平面」を設定した場合、「XYZを設定」の設定項目が
少し変わってきます。

本来のX,Y,Z軸に関係なく画面上下方向が「Y軸」
左右方向が「X軸」になります。
そして、「作業平面に整列」をチェックします。

Strato03-15

図のような制御点群(水色)を画面左右方向に整列させるためには
「Xを設定」のみにチェックを入れます。

Strato03-16

設定後は図のようになります。

Strato03-18

「作業平面」を元に戻すには、
「Right」(青丸)の部分を右クリックし、
「作業平面の設定」-「ワールドRight」を選択します。

Strato03-19

「Right」(青丸)の部分を右クリックし、
「ビューの設定」-「Right」を選択します。
これで通常状態に戻ります。

Strato03-20

すべての曲線を編集し終わったら、
サーフェスを作ってみます。

4本の外形線と6本の側面の線を選択し、
「サーフェス」-「曲線ネットワーク」を選択します。

Strato03-21

「ネットワークからサーフェスを作成」ダイアログで
「面の細かさ」や「端面の処理」を設定できますが、
ここはそのまま「OK」を押します。

Strato03-22

出来上がったサーフェスを選択し、
「ソリッド」-「キャップ」を選択します。
サーフェスの端面がきちんと平面になっていれば、
蓋がされます。

Strato03-23

サーフェスの具合を見やすくするため、
「解析」-「サーフェス」-「環境マッピング」を
選択します。

Strato03-24

Strato03-25

「マップ」(赤丸)は「brushed_silver」を選択。
青丸の部分に「歪み」や「滑らかに繋がっていない」部分が
みられるので、さらに細く断面曲線を作って
調整していきたいと思います。

今回のところまでのデータは
Stratocaster03.3dm
です。

Mac版Rhinocerosで作成していますが、
Windows版でも開けます。

Rhino for Macの入手はこちらです。