Shadeとの出会い

Shadeと初めて出会ったのは、1993年頃だったのでは無いかと思う。
当時勤めていた会社で、NTTの武蔵野研究所と共同開発を行うことになり、定期的に研究所の方へ通っていた。

そこの研究員の人達が結構Macintoshを使っていて、イラストレーターの使い方をよく教えていた。
共同開発は4社合同でやっていて、研究所のリーダーのN山さんは4社のリーダーにいつも檄を飛ばしていて、皆んな戦々恐々としていた。

そんなN山さんだったが、全社に一通り指示を出した後に、そっと自分のそばに寄って来て、「吉野さん、イラストレーター教えて欲しいんですけど」と申し訳なさそうに言ってくるのが常でした。
質問事項はごく初歩的な事ばかりだったので、いつも理解するまで丁寧に教えてあげました。

ある日、N山さんが「吉野さん、これ、見て下さい。」と言って、段ボールを開けて見せてくれました。中にはいっぱいソフトウェアが入っていました。
「こんなん、いっぱい買ったけど、わしら、使われへんので吉野さん、気に入ったのあったら、持ってって使って下さい。」
当時のNTTはまだ民営化される前で、研究所なんかでは湯水のようにお金を使っていました。
300万円くらいのソフトウェアとかも平気で購入していました。

かすかな記憶によると、3DグラフィックのSwivel 3D、StrataVision3D、Super3D、AdobeのPhotoshop、数式の計算ソフトMathematica、このソフトは非常に面白くて、数式を入力するとそのグラフが3Dグラフィックで現れるようなソフトでした。

そして、その中にShadeがありました。
「そのソフト面白いんです。国産のソフトなんですよ。これも一緒に持っていって下さい。」
と言って、プロテクトのためのメモリースティックも貰いました。
ShadeのバージョンはⅡで価格が480,000円してた頃の物でした。

それからは毎日、家にいる時は、風呂に入る時と睡眠の時間以外はShadeをいじってました。
最初のうちは3Dという物はどういうものかを理解し、周りにある簡単なものを3Dグラフィックにしていました。

TWINART(カラーペン)
コーヒーミル

その後、ハーレー・ダヴィッドソンの3Dグラフィックを作って、プリントアウトを持っていくと、えらく感激してくださって、ずっと、使ってていいという事になりました。
プロテクト用のメモリースティックはバージョンアップの際には一緒に返却しなければならなかったので、バージョンアップの度にShadeが使えなくなるという困難も経ながら色々な3Dグラフィックを作っていきました。

1996.12にShade Professional R1が発売になり、価格も148,000円に下がったので、自分で購入し、NTTから借りていた物は返却しました。

で、ちょっと不思議な事があるのですが、今、自分の手元にあるShadeのパッケージを見るとShade Ⅲ Ver.1.1になっているのです。
このバージョンはまだ480,000円で売ってた頃の物なので、あるいはパッケージだけ返却するのを忘れていたかも知れません。プロテクト用のメモリースティックは無くなっていた。

Shade Ⅲ

あれ、フロッピーディスクもあるな。まあ、いいか。20年以上前の話だ(笑)

※Shadeの歴史(参考資料)


Strato001 – データ取り込み

ようやく、MacOSをYOSEMITEにバージョンアップし、
「Rhino for Mac」を使えるようになりました。
MacOS10.6ではつかえなかったもので。

バージョンも「Evaluation」に代わり、
Mac版もWindowsと同様の正規版に
進化しつつあるのかな。

仕事で使っている「Rhino for Windows」も
バージョン5にアップデートしたので、
練習も兼ねて、色々やりたいと思います。

とりあえず、手始めに昔々に作った
「Fender Stratocaster」の3Dグラフィックスを
リニューアルしたいと思います。

Strato000

これを作ったのは’97頃で、Shadeで製作しています。
ただの「Fender Stratocaster」ではなく、
「Yngwie Malmsteen Model」です。
ネックにはスキャロップ加工が施されてます。

今回はこのモデルを元にRhinoでリニューアルしたいと思います。
とりあえず、スキャロップは付けません。
あとで、付けるけど(笑)

【Shade】で作成したものを【Rhinoceros】で
リニューアルする意味は

⚫️モデリングに関してはRhinoの方が緻密に出来る
⚫️Shadeはブーリアン系が弱いのでRhinoの方がスッキリしたデータを作れる。
⚫️Shadeはデータ形式が独自なので、他にデータを渡す時にポリゴンに変換しなければならない。
⚫️Rhinoは出力形式が豊富なので、今後、3Dプリンターにデータを渡す時など便利である。

自分が使用しているShadeはVer.12です。
最近は進化してるのかな?

ただし、最終出力のレンダリングはShadeの方が
強力なので、Shadeにデータを渡してレンダリングと
いうことになります。

Strato001

まず、元のShadeデータで
「ファイル」-「エクスポート」-「Adobe Illustrator」を
選択し、出力形式で「上面図」「側面図」「正面図」を
それぞれ、別々に保存します。

Strato002

そして、そのファイルをRhinoにインポートし、
適正な位置に回転したり、移動したりしながら、
テンプレートにします。

呼び込んだ時点で曲線の数は88835個でした(笑)

もちろん、全部必要ではないので、
必要なものを選別しながら、
3D化していきます。

とりあえず、パート毎にレイヤー分けしてみました。

これから、徐々に立体化していきます。


iPhone 4S

iPhone 4S

昨年の暮れに、ようやく【iPhone 4S】を手に入れたので、
さっそく、3DCGを作ってみました。

下側の写り込みはPhotoshopで加工しました。

アップルのサイトにiPhoneやiPad等のケースを作る業者のための
図面集があったので、そちらから図面をダウンロードし、
テンプレートにしました。

[Designing cases for iPod,iPhone, and iPad]

モデリングは【Rhinoceros Mac Beta5】で行いました。

テンプレートは編集可能なPDFでしたので、一旦、イラストレーターで
開き、イラストレーター形式(.ai)で保存して、Rhinocerosに読み込みました。
図面は2次元なので、3Dにしやすいように配置し直しました。

モデリング自体は、それほど難しく有りませんでしたが、
後に、Shadeで表面材質を設定しやすいようにオブジェクトの
分割を考えました。

レンダリング「Technical」

出来上がったモデルを「3D studio」(.3ds)タイプ、
「Polygon Mesh Options」で「Density」を最大で
書き出しました。

3dsファイルをShadeに読み込み、表面材質を設定します。

背面のロゴ等(鏡面)は本体をスキャンしてイラストレーターで
トレースした後、Shadeに読み込み、立体化しました。
そして、鏡面の材質設定をした後、「=」でステッカーマッピング
しました。

レシーバーやマイクの金網は「Shade Explorer」に入っている
「パンチメタル」のような材質を適用しました。

ディスプレイはiPhoneで「Home Switch」+電源ボタンを押して、
画面キャプチャを取り、Z方向からマッピングしました。

ボディの金属の部分は、光沢のない金属を「メタリック」で表現しました。

光源は円を作って、ポリゴンメッシュ(粗い)に変換した後、
下半分を削除し、線形状に変換した物を面光源に設定しました。
さらに、線形状をすべて「光源パート」に入れて、全体の光量の調整をしました。
各線形状(面光源)の光量もレンダリングをしてみて、適正な値に調整しました。

仕上げに、背面に布のような形の反射する物体を配置して完了です。

最後のおまけに昔の「iMac」のような色のiPhoneを作ってみました。

レンダリングして気付いたんだが、右側の3つは反転コピーしたため、
カメラの位置とディスプレイが左右逆になってる(笑)