第17話【新たな仲間との出会い】

4月になり、高校生活が始まりました。
実は自分は前の中学ではずっとサッカー部に入っていたのだが、
転校した中学にはサッカー部が無かった。
しかし、入学した高校にはサッカー部があったので、
早速、サッカー部に入り、日々、練習に励んでいた。

まあ、合間をみて、ギターの練習もしていたのだが。

夏頃になり、近くの研修センターみたいな所で、
1年生合同の研修旅行があった。
入学してから、3ヶ月程経ち、他の中学から来た子達とも
仲良くなって来てはいたのだが、やはり、泊まり込みで
いろいろ話をすると、今まで、知らなかったみんなの一面が
出てくるわけで。

その中で、同じクラスにS口君という子がいたわけだが、
彼は応援団に入っていて、所謂、ツッパリ君だったわけだ。
最初のうちは、ちょっと威張ってて、取っ付きにくいなと思ってた。

で、ちょっと話をしていると、彼もロックが好きで、
なんでもドラムを叩いているという事だった。
しかも、家にドラムセットを持っていて、
音を出せるから、今度、ギターとアンプを持ってこいよ。
ということだった。

しかも、クリームとかBBAとかが好きで、
カーマイン・アピスが一番好きだと言ってた。
こりゃ、趣味が合うな。
と思い、とりあえず、クリームのサンシャイン・ラブと
ホワイトルームを合わせようという事になった。

彼の家はバスで行かなければならなかったが、
重たいアンプとギターを抱えて、バスに乗り、
遊びに行った。
彼の部屋に行くと、真っ黒なPearlのドラムセットが
置いてあり、もう、雰囲気だけで、
中学の時のあのドラムの子とは違うな、という感じだった。

まず、サンシャイン・ラブを合わせたが、
もう、ジンジャー・ベイカーそのものだった。
自分はドラムと合わせるのは始めてだったので、
何か、面白くて何回も演奏した。

その後、色んなレコードを聞かせてもらって、
自分の好きなアーティストとか好きなフレーズとか
話は尽きなかった。

「バンドとかやれたらいいのにね」
と言うと、彼が
「○組のH田ってヤツ知ってる?」
と聞かれたが
「いや、知らない」と言うと、
「何か、凄いギター上手いらしいぞ」

「で、今度、一回合わせてみないか、って言われてるんだけど、一緒に行ってみないか」
と言われたんだが、その頃は自分も結構ギターが
弾けるようになってきたと思っていたので、
「フ〜ン、そんなヤツがいるのか」という感じだったが、
全くの『井の中の蛙』だった(笑)

そして、何週間か後にH田君の地元にS口君と一緒に行く事になった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする