第4話【始まりは中1の冬】

自分は中学時代、ずっとサッカー部でしたが、
冬はスキーのジャンプをやっていました。

中学1年生の冬(1976年)、いつものように
ジャンプの練習を終えて、ロッジでくつろいでいたら、
ジャンプ仲間のI館君が
「ロック好きなの?」と話してかけてきて、
「家にエレキギター有るんだ。今度、遊びに来ない」

あの衝撃の出会いから、自分もいろいろと
聞きあさって、曲も結構覚えてきていたので、
面白い話が出来るかなと思って、
遊びに行くことにした。

I館君の家に行くと、彼はさっそくエレキギターを出してきました。
ジミー・ペイジと同じギターだとすぐわかった。
「それ、ジミー・ペイジと同じギターでしょう。」
と言うと
「当たり!でもグレコだけどね。」
「グレコって何?」
「ギターのメーカーだよ。」
「ふーん?」という感じだったけど、
とりあえず、持たせてもらった。

ボディは意外と薄かったけど、何かズシッと重かった。
「どうやって、音出すの」というと、
「待ってて」と言って、ラジカセを持って来た。
「ここに刺して」ということで、シールドを
「MIC」と書かれた所に刺した。
「MIC」のヴォリュームを上げて、ギターの弦を
弾いてみると、ブーッという音がした。
「エレキギターの音だ」ちょっと感動した。

当時、アンプを持ってない人は、
ラジカセのMIC端子に繋げて音を出していた。
ボリュームを上げると、微妙に歪んで中々味な音が出たもんです。

「何か、弾いてみて」と言われたけど、
ギターなんて弾いた事無いので、
とりあえず、彼にギターを渡した。

「これ、知ってる」と言って、彼が弾きだしたのは、
「天国への階段」だった。
「凄い、ジミー・ペイジと一緒だ」
目の前で、彼がどんどん指を動かして、
アルペジオを弾くのを見て、「器用だなあ」と感心した。
「練習すれば、すぐに弾けるよ」と彼は言ってくれたが、
自分にはまだ、実感が無かった。

でも、確かにその日から、エレキギターが
弾きたくて、悶々とする日々が続いた。

そして、雪も溶けて春が訪れたある日、
突然、事件は起きる。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする