第5話【事件は突然】

中学2年生になってすぐのある日、
突然、父親が「エレキギター欲しいのか?」
と聞いて来た。

自分はいきなりの質問に面食らい、

(欲しいです、今すぐ、欲しいです)

「えっ、どうして?」

(何で知ってるの?)

「I館君から聞いたよ。エレキギター見せたら、凄く嬉しそうだったって」

実は、父親は中学校の先生をしていて、
I館君の担任になったらしく、彼から聞いたらしい。
I館君は隣町の中学校に通っていて、
父親はそこの中学校の先生だった。

「あっ、そうなの」

(まずいな、何がまずいかはよくわからなかった)

「いや、ロック好きだし、エレキギター弾けたら、いいなと思って」

(エレキギター高いしな、でも、欲しいな)

「そうか、じゃ、今度の日曜日に買いに行こう」

「えっ!???」

(いや、でも高いし)

「そうだな、エレキギター買うんだったら、アンプもいるよな」

(何故か、ノリノリの父親である)

「えっ、アンプ買っても音大きくて鳴らせないよ」

(えっ、アンプも買ってくれるの)

「ほら、バンドとかやるようになったら、要るだろう、アンプ」

「うん?そうだね」

(もうすでに、バンドですか〜〜っ)

「じゃ、今度の日曜日にエレキギター買いに行こうな」

(何故か、ニコニコの父親である)

そして、週末の日曜日・・・

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