第25話【さらに上を目指して】

その後、教則本に載っていたフレーズ集みたいなのを
いろいろ弾いていたのだが、どうも物足りなくなってきた。

そう言えば、S口君がBBAの【Lady】を
演りたいと言ってたのを思い出し、
ちょこっとコピーしてみようかなと思ったが、
途中でビロビロ弾き出した時点で断念。
とにかく、何やってるんだか全然わからない。

そこでいつもの安易な方法を思い付く。
【楽譜】である。
しかし、そもそもロックの楽譜自体が
あまり売ってない時代に、BBAみたいな
ちょっとマニアックなバンドの楽譜なんか
有るのだろうか、と不安になりながら
楽器屋に出向く。

楽器屋の楽譜コーナーを端から入念に探す。
すると何か怪しげな楽譜を見つける。
タイトルは「ロックベース名演○○選」みたいな
ヤツだったような気がする。

さっそく、手に取って中身を見ると、
なんとBBAの【Lady】の楽譜が載っているではないか。
ただ、スタジオ版だったのはちょっと残念だったが。
他にはLedZeppelinの【The Lemon Song】
Jeff Beck Groupの【Highways】【Ice Cream Cakes】
他にも結構、通好みの曲が何曲か入っていたように思う。

とにかく、良い本を見つけたと思って、
さっそく買って帰り、それからは毎日、
楽譜とにらめっこで練習した。

そして、当時、ロック系とはまた別に
一人のベーシストに非常に興味を持っていた。
彼の名は【スタンリー・クラーク】
何故、彼に興味を持つようになったのかは
記憶に無いのだが、当時、ジェフ・ベックとも
共演していたので、その辺の絡みではないかと
思う。

彼はJazz/Fusion系のミュージシャンなのだが、
実はバッキングのベースラインとかには
あまり、興味が無く。
とにかく、パコパコでブリブリの音で
ド派手に弾くユニゾンやベースソロに
興味を持ってしまった。

もちろん、彼みたいに弾く事は出来ないが、
【ハロー・ジェフ】という曲のユニゾンの部分や
ベースソロの耳に付いた弾けそうな所だけ、
一生懸命に練習していた。

当時、隣町の楽器屋さんにフェルナンデスの
アレンビックコピーモデルが置いてあって、
そこに行った時はいつも欲しいな〜っと
思いながら見ていた。

そんなこんなで、ベースの腕前も少しづつ上がって来た
高校2年生の夏頃、一歳年上の
凄腕のギタリストと出会う。

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