中学2年生になってすぐのある日、
突然、父親が「エレキギター欲しいのか?」
と聞いて来た。
自分はいきなりの質問に面食らい、
(欲しいです、今すぐ、欲しいです)
「えっ、どうして?」
(何で知ってるの?)
「I館君から聞いたよ。エレキギター見せたら、凄く嬉しそうだったって」
実は、父親は中学校の先生をしていて、
I館君の担任になったらしく、彼から聞いたらしい。
I館君は隣町の中学校に通っていて、
父親はそこの中学校の先生だった。
「あっ、そうなの」
(まずいな、何がまずいかはよくわからなかった)
「いや、ロック好きだし、エレキギター弾けたら、いいなと思って」
(エレキギター高いしな、でも、欲しいな)
「そうか、じゃ、今度の日曜日に買いに行こう」
「えっ!???」
(いや、でも高いし)
「そうだな、エレキギター買うんだったら、アンプもいるよな」
(何故か、ノリノリの父親である)
「えっ、アンプ買っても音大きくて鳴らせないよ」
(えっ、アンプも買ってくれるの)
「ほら、バンドとかやるようになったら、要るだろう、アンプ」
「うん?そうだね」
(もうすでに、バンドですか〜〜っ)
「じゃ、今度の日曜日にエレキギター買いに行こうな」
(何故か、ニコニコの父親である)
そして、週末の日曜日・・・