第13話【バンドごっこ】

中学校2年生の夏頃になると、周りの仲間にも、
自分がエレキギターを買った事に刺激を受けて、
俺もギター買いたいな、バンド演りたいな、というヤツが出てきました。
昼休みになると、ほうきを持ち出して、
KISSとかの曲を「口コピー」しながら、
騒いでいました。

そして、秋になると、決定的な出来事が起きます。
中学校の学校祭で、例の「TAB譜の先輩」が
バンドを作って、教室でライブをやることになったので、
友達みんなで観に行きました。

演っていたのは、例のキャロルの曲や、
KISSの曲なんかもやっていたと思います。
一緒に観ていた友達はみんな
「スゲー、スゲー」と言う感じでノリノリで
観ていました。

そして、何と言っても、女の子達がみんな
「キャー、キャー」言って騒いでいたので、
多分、そっちの刺激の方が大きかったかも(笑)

ライブが終わると、みんな、
「来年は絶対、俺たちがライブやるぞ!」
みたいな感じで盛り上がっていました。

そして、すでにギターを買うと言ってたヤツが一人いたので、
一人がベースを買ってもらう、もう一人が
ドラムを買ってもらうと言う事で、親への交渉に入りました。

ところで、じゃ、練習はどこでやるんだ、という疑問がありました。
当時はスタジオなんて近所にありませんし、
そもそもバンドの練習なんて、
どうやったら出来るんだ、という感じでした。

しかし、味方はいるもので、クラス担任の先生が
音楽の先生で、しかも、まだ若くやる気満々でしたので、
バンドの練習の事を話すと
「じゃ、音楽室を貸して上げる。マイクも使えるよ。」
ということで、あとは楽器の入手待ちということになりました。

そして、冬になると、もう一人のギター、ベース、ドラムのヤツも
楽器を買ってもらい、各々練習をしていました。
演る曲は、まだ特に決めていませんでした。
というか、みんな音がきちんと出せるように
なるのに四苦八苦というレベルでした。

自分は当然「Smoke on the water」はやりたいと思っていたので、
いつも練習していました。

そして、そろそろ、音楽室に楽器を持ち込んで、
音を出してみようか、と言う頃に事件が起きました。

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