H田君との衝撃の出会いの後も、自分はサッカー部だったため、
日々、サッカーの練習をしながら、暇をみてギターの練習を
していました。
秋の新人戦が終わった後、北海道は雪が降るため、
外では練習が出来ず、体育館での練習になります。
その頃になると多少、練習にも余裕が出てくるため、
『バンドをやりたい』という欲求がムズムズと沸き上がってきました。
H田君、S口君と話して、冬のコンサートに出ないかと
いう話になりました。
住んでいた市には【音楽鑑賞協会】というものがあり、
年会費を払えば、年に3〜4回あるコンサートに
出演出来るようになっていました。
演奏する曲はH田君が演りたいといった
『BOW WOW』の曲を5曲程決めて、
スタジオに入る予定を立てました。
ところで、その時点でギター2人、ドラム1人で、
歌はH田君が歌うという事になっていたのだが、
「ベースは?」と聞くとH田君は
「いるよ」と答えました。
「誰だろう?」
ちなみに演ろうとしていた曲は
『INTRODUCTION(HEY YOU LADY)』
『RAINBOW OF SABBATH』
『JUST ONE MORE NIGHT』
『STILL』
『ROCK’N ROLL DRIVE』
『EXPLOSION』
です。
スタジオはH田君の知り合いが所有しているスタジオで、
バスで行った隣町にありました。
どんな所だろう?と思っていたら、
何か、道ばたにある掘建て小屋(笑)みたいな所でした。
そして、ベーシストとして紹介されたのは、
あの、以前、中学校の時に一度だけ、
農家の納屋で音を出した時に来ていた
ベースでした。
実は同じ高校に進学していたのでした。
あれから、一生懸命練習したのだろうか?
とりあえず、セッティングして音を出してみました。
自分は始めてバンドで合わせる事に興奮していたのか、
割とノリノリで演奏していたのですが、
さっそく、H田君に「チューニング合ってないよ」と
ダメ出し、喰らいました。
まあ、これからいっぱい覚えなきゃならない事あるよな、
と思いながらもバンドが出来るようになった事に
嬉しい気持ちでいっぱいでした。