第18話【レベルが違いすぎる・・・】

それから何週間か後、S口君と一緒にギターを抱えて、
H田君の地元に行きました。
待ち合わせ場所のスタジオに行くと、
そこに現れたのは・・・

第一印象『ちっちゃいレスリー・ウエスト』という感じのH田君でした。
そう言えば、確かに学校で見た事がある。
でも、普段、サッカーばかりやってた自分は、
恐らく『帰宅部』系のH田君はあまり印象に残ってなかった感じ。

で、スタジオに入って、準備を始めた時にビックリしたのが、
彼の持っているギターが何と『Gibson LesPaul』
始めてギター買った時にFenderでビビッてた自分からすれば、
その上の 『Gibson LesPaul』を高校生が持ってる事に
驚きを隠せなかった。
320,000円ですよ!!!

聞くと、お小遣いとアルバイトしたお金で買ったらしい。
自分のお金で買ったという事にさらにビックリ。
何か、すでに圧倒される。

しかし、それは序章に過ぎず、音を出すとさらにビックリ!

その日は、他にH田君の音楽仲間も来ていて、
一緒に演奏してくれました。
Bassの子は、同じ学校の野球部の子でした。
何でも、中学時代から一緒にやってるということだったんだが、
高校に入って、野球部に入ったので、もうバンドは出来ないと
いう事らしい。

そして、ドラムの子は一学年下(という事はまだ中学生)なのだが、
これがまた上手いのなんのって。
S口君がビビッました。

で、H田君のギターですが、レベルが違いました。
自分も多少はリッチーとかつっかかりながらも
コピー出来るようになり、ある程度は弾けるようになってきたな、
と思ってましたが・・・

その日は『Bow Wow』の曲をやってもらったのですが、
もう、レコード通りでした。
そして、自分はH田君の指に目が釘付けでした。
所謂『スローハンド』
指はあくまで滑らかにゆっくり動いているんだが、
音はたくさん出てる。

忙しくバタバタ指が動いているわりには、
そんなに音が出ていない自分のギターの音とは、
段違いでした。

そして、あのフレーズはこういう風に弾くのかと
勉強する事がそこら中にちりばめられていました。
もう、その一日で、一年間分くらい進歩したと思います(笑)

その日の最後に、H田君が
「バンドやりたいんだけど、一緒にやってくれるかな。」
「冬になる頃には、ライブをやりたいよね」
って言ってくれたので、S口君と一緒に
「絶対にやろうよ」
という事で、その日は幸せな気持ちで帰途につきました。

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